人は生きている限り、悩みは尽きないものです。恋愛や人間関係、仕事、勉強など、どうにもならない悩みに苦しめられるのが、私たちの人生でもあります。そんなときに私たちを助けてくれる存在が、「電話占い」です。もちろん電話に限らずとも、占いによって救われた人は数え切れません。
しかし一方で、電話占いに頼りすぎるあまり、いつの間にか占いに「依存」してしまう人もいるようです。何かちょっとしたことがあるたびに電話をしてしまう、あるいは、何もないにもかかわらず、電話をしないと落ち着かない・・・、下手をしたら、一日に何度も電話をしてしまう・・・。
そんな依存体質のせいで、月々の請求額は10万円近くに達してしまう・・・。
他人から見れば明らかに「異常」な状態。もっといえば、自分でも明らかに「依存」していることに気づいているけれど、どうしても抜け出すことができない。タバコやお酒、ギャンブルと同様に、下手をすると中毒性を発揮してしまうのが、電話占いの恐いところでもあります。
そこでこちらの記事では、電話占い依存症に陥ってしまった人々の末路や、依存症から抜け出す方法について解説したいと思います。
電話占い依存症は占い師も望んでいない
まず一番最初に断っておきたいことではありますが、そもそも電話占いに所属する占い師たちは、ユーザーに依存されることを全く望んでいません。もちろんそれが悪徳業者であったとすれば、あえてユーザーが自分に依存するように持ち掛け、一種の洗脳やマインドコントロールのようなことを行い、意味のない占いでお金を奪うことを目的とするかもしれません。そういう業者がいないわけではありませんし、実際に被害に遭われている人がいるのは事実ですが、まっとうに働いている占い師は、誰もがユーザーの幸福や救済を目的としています。
せっかく助けようと思ったユーザーが自分たちに依存してしまい、散財するようになってしまっては、まったくの本末転倒です。そのため、電話占いの占い師たちも、利用者が依存症に陥らないよう細心の注意を払っています。
しかし、それでも絶対に依存する人が現れないかといえば、残念ながらそうではありません。偶然、利用者が依存症に陥りやすい体質の人であったとすれば、占い師の意に反して、そのような事態に発展してしまうこともあるのです。
繰り返しになりますが、忘れてならないのは、まともな占い師であれば誰も利用者に依存してほしくないということです。依存体質になってしまうことは、利用者をただ不幸にするばかり。誰もそんなことは望んでいません。電話占いに依存することは「間違ったこと」という共通認識を抱くことが大切なのです。
電話占い依存症になってしまった人々の末路
占い師の意に反し、残念ながら電話占いに依存してしまう人がいます。タバコやお酒に依存すれば体を壊してしまうように、またはギャンブルに依存する人がお金を失い、人生を台無しにしてしまうように、電話占いに依存してしまった結果、不幸な末路をたどってしまう人も少なくありません。
そこで、実際に電話占いに依存してしまうとどのような状況に陥ってしまうのか、いくつか実例をご紹介します。
「変人」扱いで友人を失う
電話占いの依存症に陥ってしまった場合、利用者はすべての決断を占い師にゆだねるようになります。それが人生を左右するような大きな決断であれば理解できますが、どこに引っ越すべきか、どんな服を着るべきか、今夜は何を食べるべきか、あの人と友達になるべきか、友人に誘われたけど、一緒に行くべきか・・・。もしあなたの周りにこんな人がいたら、当然「おかしい」と思いますよね。
しかし依存症に陥ってしまった人は、あらゆる自分の決断に自信が持てなくなってしまいます。そのために、どれほど些細なことであっても占い師に頼らざるを得なくなってしまうのです。
そんな生活をしていれば、当然周囲の人からは気味悪がられてしまい、最初は占い好きの変わった人程度で済んでいたものが、「イタイ」「こわい」「不気味」「近寄りたくない」と思われてしまっても不思議はありません。依存症になってしまった結果、友人や恋人を失ってしまい、ますます孤独になって占いに依存してしまう・・・そんな負のスパイラルに陥ってしまうことも少なくないのです。
また、そもそも本人は占いが好きであっても、占いに頼ることは、相手や周囲の人にとって不快感を与えてしまうことがあります。
たとえば、恋人同士だったとしましょう。いくら仲の良い恋人同士であったとしても、何かのきっかけでケンカをしてしまうことがあります。それが二人の仲を引き裂いてしまうような大げんかであればまだ理解できますが、ほんの些細なケンカをするたびにいちいち占いに頼り、占い師がこういったから・・・なんて説明されてしまっては、恋人が呆れてしまうのも仕方ありませんよね。
また、「好きな人や恋人の気持ちを知りたい」というのは人間であれば誰もが考えることですが、しょっちゅう占い師にそんな質問ばかりしているのは、やはり不自然です。もしある利用者に好きな人がいて、その人は好きな人の気持ちを知りたいがために、毎日のように占い師に電話をしていたとしましょう。あるいは、相手の気持ちが少しでも自分に向くように、占い師にお願いをしたりするかもしれません。でもそれは、相手や周囲の人たちにとって、ほとんど「ストーカー」と変わらない行為です。これもやはり、周囲に嫌われてしまっても仕方ありませんよね。
さらに、占い依存者の中には、複数の電話占いサイトを利用している人=いわゆる占いジプシーといわれる人も大勢います。利用する電話占いサイトが増えれば増えるほど、少しでもマイナーなサイトを探そうとするあまり、いつの間にか悪徳業者のサイトに登録してしまうこともあります。結果として悪徳業者に騙されることも少なくありません。悪徳業者の中にはあえて占いジプシーを狙い、詐欺を働きかけることもあります。
たとえば、実際は存在しない架空の電話占いサイトをでっちあげ、利用者に請求をかけるのです。普通であればそんなものに引っかかるはずはありませんが、大量のサイトを利用しているジプシーは、身に覚えのないサイトが紛れ込んでいても気づかないことすらあるのです。あきらかに不自然な状況ですが、実際にそのような事例の存在するのが、電話占い依存症の恐ろしいところでもあります。
いずれにしても、電話占い依存症になってしまえば周囲にも影響を与えてしまうことを覚えておく必要がありますね。
借金を背負ってしまう
ご存知の通り、電話占いというのは決して安いものではありません。1分間で300円程度の料金が発生し、ちょっと長電話をすれば簡単に1万円を超えてしまいます。そのため、よほど必要なときしか利用しない、または短時間の相談を定期的にするのが、一般的な利用方法です。
ところが電話占い依存症に陥ってしまうと、お金が発生すると分かっていながらも、頻繁に電話をかけてしまいます。もちろんそのたびに高額の料金が発生するため、毎月の利用料が10万円から数十万円に達してしまうこともあります。
よほどの高所得者でもないかぎり、毎月家賃より高い金額を払い続けることは困難です。なかには驚くような請求書を突きつけられ、目の覚める人もいるでしょう。でも残念ながら依存症に陥ってしまうと、まともな判断ができなくなってしまうこともよくあります。その結果、「お金がないからやめる」という選択ができず、借金に手を出してしまう人も少なくありません。
最初は親などの身内にを頼り、やがて親から借りられないと分かると、知人や友人、ゆくゆくは消費者金融などに手を出し、取り返しのつかない状況に陥ってしまいます。また、その日に食べるものがなくても、占い師に欠かさず電話をかけている人もいるのです。もちろん、完全に立ち行かなくなり、自己破産をしたり、最悪の結果を選んでしまう人もいます。
一度止めても繰り返してしまう
依存症の恐いところは、一度手を引いたとしても、ふとしたきっかけで繰り返してしまう点です。たとえば一度依存症になったものの、お金が払えなくなり、もう電話占いに手を出さないと誓った。でもそれから半年ほどして、恋人にフラれたり、仕事でうまくいかないことがあったりすると、ふたたび電話占いに頼ってしまう人もいるのです。占いに限らず、お酒やタバコ、ギャンブルでもこのような兆候は見られますよね。
とくに依存症に陥る人の場合、矛盾しているようですが、そもそも大きな悩みを持っていないというケースも少なくありません。
本来占いは、悩みを持った人がそれを解決するために頼るものです。そのため、悩みが解決されれば、また新たな悩みができない限り、利用しないのが一般的。ところが依存症に陥ってしまう人の場合、悩みを解決することではなく、電話占いを利用すること自体に依存してしまうことがあるのです。大したことでもないのにやけに占いに頼ろうとする人は、まさにその兆候が見られると考えられます。
そのため、決して大きなきっかけがないとしても、電話占いの利用を繰り返してしまうことがあります。占い本来の目的すら見失ってしまうことが、依存症の恐いところなのです。
電話占い依存症を克服する方法
それでは万が一電話占い依存症に陥ってしまった場合、または陥りそうになっている場合、どのような行動をとるべきでしょうか。電話占い依存症を克服する方法について考えてみましょう。
利用頻度を減らす
依存症の克服をするには、まずは電話占いの回数を減らしていくことが大切です。たとえば月に10回利用していたところを5回にしてみる。それができたら今度は2回にしてみる。このように徐々に減らしていくことで、依存レベルを下げていくことができます。
また複数の電話占いサイトを利用している場合には、利用するサイトを減らしていく方法もあります。
また、利用頻度を減らしたタイミングで、電話占いの利用について考えてみることも大切です。今までみたいに毎日のように利用する必要があったのだろうか、と自問してみることで、依存症の解決につながることもあります。
退会する
手っ取り早い方法としては、退会してしまうという手段があります。電話占いは電話占いサイトに登録していなければ利用できないため、そもそも利用できない環境にしてしまうというのも一つの方法でしょう。これはちょうど、禁酒、禁煙にあたる方法になります。
これができればそもそも依存症にならないのでは、という意見もあり、それも事実ではありますが、退会をした途端に目が覚める人も少なくないのです。
とくに周囲の支えを期待できそうな場合は、友人に相談をしてから、勇気ある決断をしてみると良いでしょう。
趣味を見つける
依存症に陥ってしまう人は、他にやることがないからそうなってしまうことが少なくありません。裏を変えると、他に熱中できるものがあると、簡単に占いに対する興味を失ってしまうこともあります。
たとえば友人と遊んだり、読書をしたり、映画を見たり、というのも良いでしょう。もちろん一番効果的なのは「スポーツ」です。体を動かすと脳の動きも活発化し、メンタル的にもポジティブになります。また気持ち良く疲れたおかげで、電話占いに頼らなくても、夜ぐっすり眠れるようになります。
とくに一緒にスポーツをしてくれる友人等がいれば、依存症から抜け出しやすいといえるでしょう。
占いの結果は選択肢の一つと考える
占いの結果を信じ過ぎてしまう人も、依存症に陥りやすい人といえます。そもそも占いの結果は、私たちにとって選択肢の一つにすぎません。というのも、根本的に占いは未来を決定づけるものではなく、可能性を提示するものだからです。
そのため、当たってもハズレても一喜一憂しないくらいの気軽さを持つことが大切です。占いによって何もかも決めてしまうような人生は間違っているのだと、常に心に持っておくようにしましょう。
自分に自信を持つ
自分に自信がないあまり、選択のすべてを占いに頼ってしまう人もいます。そういう人とって自信を持つことは大切ですが、自信を持つには意外と、周囲の人の意見を聞いてみることが大切です。たとえば友人に自信を持ちたいと相談してみるのも良いかもしれません。きっと友人は、あなたの良いところをいくつも挙げてくれるはずです。
また、占い師さん自身に自信を持つ方法をアドバイスしてもらうのも良いかもしれません。自信があれば、依存心も軽減するはずです。
電話占い師に頼る
矛盾しているようですが、依存症の克服を電話占い師に頼るという方法もあります。前述のように占い師はそもそも、利用者の救済を目的としているため、依存症になってほしくないと考えています。そのため、依存症の克服自体を占い師に頼ってみるのも、有効な手段といえるでしょう。
カウンセラーを頼る
どうしても克服できない場合は、カウンセラーに治療をしてもらうのが最善の方法です。もちろん他の方法を試さずに、いきなりカウンセラーに頼るのも間違いのない選択でしょう。
まとめ
依存症の恐さや克服法について分かりましたか?大切なことは、依存症は克服できるということです。実際に、依存症に陥って厳しい生活を体験したものの、見事に抜け出した人も大勢います。自分自身が、または周囲の人が依存症に陥ってしまった場合は、その状況を間違ったものだとはっきり認識し、克服に向けて努力するようにしましょう。